今回は、有限会社アイブロス不動産取締役、株式会社Sweets Investment(スイーツインベストメント)『空き家買取専科』事業プロデューサーの石川優治さんへ広報について伺ってみました。
広報に対して理解が深く、熱い想いをもつ石川さん。
弊社の広報コンサルを実際に取り入れ、どのような効果を実感してらっしゃるのか、そして今後の広報についてもお話いただきました。
その他広い知見から、広報をどのように取り入れるべきかのアドバイス、経営者の心構えは?、広報職は女性に合っている?など、経営者の目線でとても参考になるお話も。
ぜひご覧ください。
》はじめに御社の事業概要を教えてください。
空き家を買い取りリノベーションをして販売をする仕事です。
》広報を取り入れたきっかけは?
2017年7月に柴田さんの娘、柴田菜々子さんと上司の川上さんB-styleのセミナーに参加したのがきっかけ。
広報を自社に取り入れては?と前から柴田さんから提案があり、広報は自社でやらなきゃいけないと思った。しかも役員とセットでやらないと意味がないと感じていた。
会社はなんのためにやっているのか?
今まで何やってきたの?
これからどうするの?
どういう風に見られたいのか?
これは社長しか答えられない。でももし、これを社長の代わりに答えてくれる広報の人がいたらすごい楽だなと思って。
》広報を始めた経緯は?
もともとハウスDOのフランチャイズに入っていて、そこから2018年1月に『空き家買取専科』として独自ブランドを作って独立した。
そのときにブランドを作ったが誰も知らない状況なので、きちっと伝える人が欲しいと広報を作ることになり、そのとき営業をしていたパートの三輪さん(現在の広報担当)に依頼した。
》そこで広報のコンサルを受けながら実践されていったんですよね。
広報のコンサルを受けなくても、そのままでも大丈夫じゃないの?と思ったんだけど、広報の三輪の希望で広報を一度教わりたいという話になった。専門家派遣制度を使い、柴田さんにお願いしてコンサルを受けながら広報をやることになった。
》実際にこんな企画をやったなど、イベント企画はありますか?
考えると結構重要なことをやっていて。広報をやっていく中で、広報の担当者は孤独だと。
広報は各社そんなに人数がいないし、成果を判断する人もよくわからない。
何がいい広報なのかわからないわけよ、上司もよくわからない。とりあえずWEB投稿やっといてという状況に中小企業にはありがちなのよね。
何が正解か誰もわからないし、判断する人がおらず、やってもすぐに売り上げに繋がるわけではないから、孤独だと。
自分でも何をやっていいかわからない、孤独だということで、あつまって悩みを話す会があればいいんじゃないかと。
そこで静岡の他の会社もそうなじゃないかと、広報の担当者の集まりがあればいいのでは?
と、コンサルの中から広報の活動の一つとして、「広報たん」が誕生した。
(その発起人が柴田、柴田菜々子、空き家買取専科の三輪さん)
もう一つ、重要なのは、広報って何だと思う?
》世間に広く知ってもらうための活動だと思っていますが。
広く報じるって書く。
隠れ家のお店などの場合、広く伝えればいいってものではなくて、情報を制限したほうがいい場合もある。
英語で考えた方がわかりやすいんだけど、PRとはパブリックリレーション。
世間とどういう関係性を作っていきたいか。
世間との関係性が広報だとおもう。
ほとんどの会社は明確な会社って少ないのよ。
あなたの会社はなんの会社なの?どういう風になりたいのと聞かれたときに
会社の理念『地域社会に価値ある資産を提供をしたい会社』と答えていた。
ビジョンは、『人の才能が爆発する会社です』と思っていたが、人に伝わるか考えたときに、伝わらない。
そこは設計して出していった方がいいと柴田菜々子さんに教わった。
では、どういった風に世間から見られたいかといった時に、うちは働き方改革をしている企業だと、そして空き家問題に取り組んでいる会社と世間から見られたい、世間との関係性をそういう風に情報発信をしていこうと決まった。
その当時はそんな考えがなかった。
うちの会社は才能が爆発する会社だから笑
世間全般とどういう関係性を作りたいの?となったとき、世間からは
「あの会社働き方改革すごいよね」「空き家問題解決する会社だよね」
と打ち出していこうということになった。
実際は『地域社会に価値ある資産を提供をしたい会社』ビジョンは、『人の才能が爆発する会社』だと思っているんだよ。
元々の理念はまだ持っているけど、それは世間の人に伝わらない。
ではどうやって人に伝えるのというとき、(コンサルを受けて)だいぶわかりやすくなった。
》コンサルを受けて見せ方、どう知ってもらいたいかを変えていったのですね。
どのように世間に知ってもらいたいのか、わかっていない会社が多い。
(広報をしないということは)女の人がすっぴんで歩いているようなもの。
マスクして歩いているのに、知ってくださいと言ってるようなもの。
うちはギャル系で行くんだ、と決めたなら、ギャルならギャルっぽい格好をして、メイクを変えて、お嬢様系だったらお嬢様の格好にする。
その設計ができていない。
ただ生まれたままの格好では伝わらない。それじゃ伝わらないよね。
》広報を取り入れてみてどうでしたか?
まだ初めて4年ちょっと。(2015年から)
広報やりだして2年弱の間にメディアに50回以上取り上げられている。テレビもあるし、新聞もあるし、ラジオもあるし。
スタッフをまだ4人しかいなかったころ、その中で一人を広報専任にしたというのってすごくない?それだけ価値があると思って入れたんだ。
広告出そうと思うとお金がかかるし、広報でメディアに来てもらって撮影してもらうのは評価も違うじゃない。
今の段階で、どこの初めて4年の会社よりも有名だと思うんだよね。どこの不動産会社よりもね。
》メディアではどんな点を取り上げられているのでしょう?
働き方改革で取り上げられることが多いのと、あとは空き家改革。今空き家は問題だからね。
働き方改革は大きい。
パラレルワークで取り上げられることもあるし、テレワーク、フレックスもあるし、子育て企業ということで取り上げられることも。
テレワークは、会社来なくていいよ。今日は家で働きますと9時半までに言えばOK。事務も皆メッセージで自己申告。子どもを会社に連れてきちゃったり。でも仕事をちゃんとやってくれればいい訳だし。
パートも別に家でできる仕事があれば家でいいし、直行直帰もいいし、遅刻早退中抜け、子ども優先でやっているから。10人ぐらいスタッフがいるのに会社に行ってから、今日何人いるんだろうって。
メッセンジャーに朝何時に出勤すると書き込まれている。
》パラレルワークでは、みなさん他の仕事を持たれてるんですか?
今15人中14人パラレルワークだから。
私もマッサージの仕事を始めてるし。
》マッサージのオーナーですか?
いや、働いている。時給380円くらい。やった分だけだから、業務委託契約(笑)(人を癒すことがしたいと、社長業とは別に従業員として働いていらっしゃる、なかなか面白い方です)
》笑
》他に広報の効果を実感したことは?
2017年くらいに始まったばかりの会社に大学から取材というか、調査が来た。(当時柴田はパラレルワークに興味があり、大学院に通っていた。その中でパラレルワークの取材の依頼があり、空き家買取専科にいたK君を紹介した)広報をしていなかったら、東京から来てパラレルワークということで取り上げられることもないし、本に乗ることもない。出版された本の中にもかなり詳しく書かれているし。今度出版記念のパネラーにも呼ばれているし。(この辺りもうちの柴田の紹介でもあります)
昨日は静岡県のテレワークセミナーがあって、そこにうちの三輪がパネラーとして呼ばれ、事例として喋っている。他はジャトコや東京の大きなコンサル会社の中に入っているのに、三輪が一番喋っていた笑。うち一番進んでるなと思ったよ。
》広報では今後どういう展開をしていく予定でしょう。
広報はすごい広がりがあると思っていて。広報ってどんなイメージ?
》一般論では、メディアにプレスリリース打って宣伝する感じですかね。
それにこだわらなくてもいいと思っていて。
例えば認証系と呼んでいるんだけど、経営革新とりましたとか、働き方改革アワードとりましたとか、そういう認証を受けるためのプレゼントとかそんな仕事もあるし、採用にも繋がってくる、生き生きとした人を出すことによって採用に繋げる方法もあるし。
三輪にいたっては新規事業開発をやっていて、昨日もプレゼンをやってきたんだけど、静岡ガスと静鉄とテレビ静岡で『静岡未来共創プログラム』というのをやってるの。
三社がそれぞれのリソースを活かしきれていないと。
それを使ってビジネスに繋げている。180社くらいかな。一次審査、昨日は二次審査だったが今30社に絞れている状況で、それが通れば三社と一緒にジョイントでビジネスを始められる。それが新規事業開発に広報が繋がる可能性もあるし、業務提携、商品開発、人事制度を整える、総務系と一緒になるケースもあるし、イベント企画広報もある。
広報って裾野が広いと思っていて、色々とやり口がある。
そこはやってもらうんだけど、今後は三輪には広報マーケティング部分も担ってもらおうと思っている。
そうすると、会社に貢献しているわけだから役員になってもらえるかなと。
そんな活用方法も考えている。
プレスリリースだけ書いて取り上げられるというと、一担当者になっちゃうけど。
広報でレベルを上げていかないといけない。
うちの会社に入って「才能を爆発する」といっているんだけど、事業で貢献してくれる、急速にあげていってくれる人になってくれればいいなと思っている。
》広報がない会社にぜひ広報をアピールしたいと思うのですが、広報を取り入れる際のアドバイスを。
実は広報を入れるのって結構高度なんだよね。
どういう風に見せたいのか。人に伝えていると考えるとあなたの会社何をしたいの?どういう風に見せたいの?
ということを伝えられるようにならなければならない。
広報人材は、普通にやると取り締まりクラスと同じことをやることになると思うの。
そこを意識してやるかどうか。
そこまでやればすごいと思う。女性が活躍できると思う職場。
あとは経営者のマインドだとおもうんだよね。
会社としての評価基準がない。そこをどう見ていくかというのが難しいと思うんだよね。
一つはホームページのアクセスを見るという数字で測れるものをみるのはあると思うんだけど、経営者も考えなければいけない。
誰も広報を入れればうまくいくとは思わない。経営者のこういう方針で行くんだというのがないとやってみて深いなと思ってね。
広報ってみんなやっていることが違うんだよね。
いろんなことが広報になっていくからこれが正解というのはないんだよね。
》(法政大学大学院坂本光司教授の『日本で一番大切にしたい会社』のなかで)一番は社員を大切にすること。そして会社がメディアに出ることで、社員に誇りが生まれる……という流れがあるのですが、それを実感されていますか?
それは正しいと思う。
社員はその中に慣れていくと次第に慣れていって、感謝もしないでいればいるほど「当然でしょう」となってしまう。慣れすぎてしまってなかなか勤務表出さないとかね笑
》(坂本教授の循環の図を参照)働き方改革でメディアに取り上げられ、自分の会社に誇りを持つことができて、そして関連会社にも認知され、地域に知られ、そして採用に困らなくなるという循環が書かれています。実際に採用に困らなくなったと聞きましたが。
9月から二人入りたいと来てくれることになっていてね。
時にはお断りするケースもあるけど、今中小企業で選べる、断れる立場にあるといい人だけ選べるからね。
》広報を知りたい方にメッセージを
広報には可能性があると思うんだよね。
ほとんどの人が広報の可能性を知らないと思うんだ。それを知ってほしい。
そして女の人の方がいいと思っている。
》女性に向いているという理由は?
なんだろうね、「ねえねえ聞いて」みたいなおばちゃんのりなところがいいんじゃないかな。
広告は「これこれこういう商品が、これを知ってください!」という表現でなくはないんだけど、信用しないじゃない。だけど、知り合いがいいよ、と言ったら信用するじゃない。口コミの延長みたいなものだと思うのよ。
》女性が生き生きと働ける場としての広報も期待できそうですね。今日はありがとうございました。
ありがとうございました。